立花登シリーズ最終作、最終作にして『人間の檻』というタイトルがいいです。
別に結婚すると『嫁の尻にしかれる』という意味での”檻”とかかっているわけではないんでしょうが、何となくそんな深読みもしつつ・・・(笑)
推理小説的展開が見事な『影の男』、短編でよく見られるやりきれないような恋愛模様を描いた『女の部屋』等、それぞれがひとつの短編小説として輝きを持つ名作ぞろい。
そして大阪へ留学へ向かう事が決まった登。
その旅立ちが近付く中、おちえとの関係は・・・。
重いテーマや切ない話が多いのにもかかわらず、どこかコミカルで楽しい雰囲気が漂うこのシリーズ、藤沢氏の表と裏が見事に融合した名作だと思います。