用心棒シリーズのラストを飾る4作目。
前作から10数年後、各登場人物の『その後』を描いた番外編的作品。
個人的にはこの巻を読むのは気が重くなるんですよ・・・。
前3作で感情移入しきった、”自分的主人公”ともいうべき大好きなキャラクター、細谷源太夫の描かれ方があまりに悲惨で・・・。
描いた藤沢氏の意図も分かるんですよ・・・、時の流れの残酷さや、現実みたいなものを描くためには時にショッキングな描写も必要だろうし。
それに細谷もラストではそれなりのところに落ち着く事が可能なわけで、完全に絶望っていうわけじゃないんだけど、でも・・・。
3作目まで読み返したときに、どーしても開くのをためらってしまうのがこの1冊だったりします。
まぁ、ここまで小説の登場人物に感情移入させられることからも、藤沢氏の文章力の素晴らしさが伺えるところとなんでしょうね。