by masak0521
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2004年 02月 29日
武家もの、市井ものと幅広いフィールドをカバーした短編集。
『龍を見た男』というタイトルが良い、”読もう”という気にさせるタイトルである。 ・逃走 愛嬌のある顔を持つ一軒平凡な行商の主人公銀助、しかしその本職はなんと泥棒である。 町を歩いて物を売る傍らで、金を持っていて入り込みやすそうな家を探して歩く そして銀助は慎重であった、狙った家を徹底的に調べ上げ、また店の身代が傾くような大金は盗んだりはしない、どこか憎めない盗っ人である。 しかしある夜の仕事で足が尽き、岡っ引に目をつけられてしまう。 そんな銀助がひょんなことから生まれたばかりの赤ん坊を盗み出す、それは自身の体験から半ば衝動的に行ったものだった。 しかし我に返ると男ひとりの家で赤ん坊を満足に育てる事など出来ない、その時銀助は岡っ引を足止めし、赤ん坊を育てるメドも立つ一石二鳥の妙案を思い描く・・・。 ・龍を見た男 主人公源四郎は腕はいいがワガママで人付き合いの苦手な一匹狼の猟師。 その気性から、日々天候と戦うため信心深いのが常な猟師の中で、全く神仏には興味を示さない。 一方で心配する源次郎の女房はお参りに行こうと薦めるがそれも相手にしてこなかった。 しかしある時、源四郎の身に不幸や面白くない出来事が立て続けに起こるようになる。 女房の押しを若干の不安のために善宝寺という龍神を奉っている寺へ向かう。 とはいえ寺についても信心の気持ちは湧いてこないのであるが、寺の池を除いた瞬間にとある気配を感じる、そして・・・。 等9編の短編を収録。 紹介した『逃走』、ボケが始まった老人を描いた『失踪』などはその発送とストーリーの面白さが光る。 深刻な命に関わるような状況を描きながらも、どこかユーモアを感じる雰囲気が独特の爽やかな読後感をもたらす。 また表題作『龍を見た男』は藤沢氏にしては、ストーリーがありふれた感じで若干面白みに欠けると感じる部分もあるのだが、その中で、主人公源四郎が寺の池で”何か”を感じるシーンは見事。 藤沢氏の表現の中でも特筆すべき素晴らしい描写であると感じる。 また藤沢氏の作品では度々見られる、互いに初老に差し掛かったいわく付きの幼馴染における変わらぬ友情と移り変わった月日の対比を描いた『切腹』も読み応えがある。 何度も口にするが本当に”外し”がない作家であると感嘆させられる。
by masak0521
| 2004-02-29 17:50
| 藤沢周平
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